虫歯をそのままにしていませんか?
「仕事が忙しくて、なかなか歯科医院に行けない」
「虫歯で歯がボロボロ、歯医者さんに叱られそう」── そんな経験はありませんか?
虫歯は誰にでも起こる身近な病気ですが、放っておくと進行し、やがて歯を失うリスクに直結します。

本記事では、
- 虫歯が多くなる原因と、
- 虫歯を防ぐ対策、
- 虫歯が多い人の歯医者さんの選び方 などをわかりやすく解説します。
虫歯が多くなる6個の原因
1.歯磨き習慣の乱れ
磨き残しや自己流のブラッシングは、プラークが蓄積しやすく虫歯ができやすくなります。強すぎるブラッシングや、大きく動かしすぎるストローク、毛先が開いたハブラシの使用などは、歯みがきをしているのに汚れが残ってしまう原因になります。

2.食生活の影響
甘い飲み物やお菓子を摂る頻度が多いと、口の中が酸性に傾き、歯の表面が溶けやすくなります。
特に 間食の回数が多い場合、口の中は常に酸性状態が続き、虫歯リスクが高まります。
また、チョコレート・アメ・グミなど口に長く残る糖分を繰り返し食べる習慣も、虫歯の大きな要因になります。

3.唾液の量や質
唾液には大きく3つの役割があります。

- 洗浄作用:食べかすや細菌を洗い流す
- お口のバランスを保つ力:食べたあと、口の中は酸性に傾きやすくなるため、唾液はその酸をやわらげ、歯が溶けるのを防ぐ
- 再石灰化作用:溶けた歯の表面を修復し、元の硬さを取り戻す
私達の口の中では、虫歯菌が作り出した酸によって、歯の表面を溶かす「脱灰化」がおこると、唾液によってカルシウムやリン酸が再び歯に取り込まれ、歯は修復されています。
唾液には、食べかすを洗い流したり、お口のバランスを保って酸から歯を守ったり、溶けた歯の表面を修復したりする働きがあります。つまり、唾液はお口を守るために欠かせない存在です。まさに“自然の予防力”ともいえるでしょう。
しかし、ストレスや加齢、薬の副作用などで唾液が減ると、これらの作用が弱まり虫歯リスクが上がります。
さらに「唾液の質」にも個人差があり、カルシウムやリン酸といった再石灰化に必要な成分が少ない場合、虫歯になりやすい傾向があります。
4.歯並びや噛み合わせ
歯が重なり合っている部分や奥歯の溝は歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすいため虫歯が発生しやすい部位です。歯並びや噛み合わせのズレがあると、特定の歯だけに力がかかり、歯ぐきや歯の根に負担をかけることもあります。
実は歯を磨いているつもりでも、磨けていない人が多い

「毎日しっかり磨いているのに、なぜか虫歯ができてしまう」
──そんな方は、歯並びや噛み合わせの影響を受けている可能性があります。
歯が重なっていたり、まっすぐに生えていない部分では、歯ブラシの毛先が届かず、磨いているつもりでも歯垢(プラーク)が残りやすい、 また、奥歯の内側や歯と歯の間、歯の根元なども”死角”であるため、“磨き残し”が生じやすいのです。 噛み合わせのバランスが悪い場合は、特定の歯に強い力がかかって歯ぐきが下がったり、歯の根が露出して虫歯になりやすくなることもあります。
- 重なった前歯 → 重なり部分の内側に歯垢が残りやすい
- 奥歯のかみ合わせ面 → 溝の部分に汚れがたまりやすい
- 歯並びが凸凹の部分 → 歯ブラシの毛先が均等に当たらない
- 歯の根元が見えている部分 → 硬いブラシでは傷つきやすい → 柔らかめのブラシが効果的
「歯みがきに自信がある」と答えた人の約8割はきちんと歯をみがけていない
ライオン株式会社(2015年7月21日)「歯みがきに自信あり」の意識と口腔内の実態にはギャップあり!
5.長期間、歯医者さんに行ってない

歯医者に行かない期間が長いと、初期の虫歯を見逃しやすく、大きな虫歯に進行したり、複数の歯に虫歯が広がることも少なくありません。小さな虫歯のうちは痛みがなくとも、自覚症状がでたときは、かなり進行してしまっています。
放ったままにしていると叱られそう?
「久しぶりに行ったら先生に怒られるのでは…」という不安から、受診をためらってしまう方も少なくありません。けれども、歯科医師は“叱るために”ではなく、“歯を守るために”説明をしています。
実際、私たち歯科医師が診療の場で抱いている本音は次のようなものです。
- どんな症状でも驚きません
毎日多くの症例を診ているため、進行した虫歯や複雑な状態を見ても驚いたり責めたりすることはありません。 - 考えているのは“どう治せるか”だけ
見た目の状態を評価するのではなく、どうすればその歯を守り、快適に噛める状態に戻せるかを常に考えています。 - 来づらい方にも安心して来てほしい
「行きづらい」と感じている方こそ、少しでもお口の健康を取り戻してほしいと思っています。
勇気を出して受診すれば、結果的に治療も早く、ラクに終わることが多く、将来の歯を守る大きな一歩になります。
6.過去の治療後の不具合

詰め物や被せ物は時間が経つと劣化したり、歯との接着が弱くなります。
その結果、歯と材料の間にすき間ができ、そこから汚れや細菌が侵入することで、一度治療した歯が再び虫歯になる(二次虫歯)ことがあります。
特に、目に見えにくいすき間で進行するため、見た目ではわかりにくく、自覚症状が出たときには重度になっていることもあります。
虫歯を防ぐための対策
虫歯予防の基本は、やはり毎日の歯磨きです。
歯ブラシだけでは取り切れない汚れが歯と歯の間に残りやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、より効果的に清掃できます。
また、フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使うと、歯の再石灰化を促し、初期の虫歯を修復する助けになります。
磨くタイミングは 「朝・夜の2回」+「食後30分以内」 を意識すると理想的です。
歯科医院でのケアも大切 <予防歯科の重要性>

虫歯は「治す」より「防ぐ」ことが大切です。
定期検診を受ければ、初期虫歯を早期に見つけられ、痛みが出る前に治療できます。
また、プロによるクリーニング(PMTC・歯石除去)で虫歯・歯周病のリスクを下げることも可能です。
「痛い思いを繰り返さないために」予防を中心に考えることが、お口の中を健康に保つ大切な考え方です。
食生活の見直し
食事のとり方も虫歯予防に大きく関係します。
砂糖を多く含む食品や飲み物(ジュース、缶コーヒーなど)は、口の中を酸性にして歯を溶かす原因になります。
間食の回数を減らすことも重要です。間食をするたびにお口の中は酸性に傾くため、回数が多いほど虫歯リスクが上がります。どうしてもおやつを食べたいときは、キシリトール入りガムやナッツ類など、虫歯になりにくい食品を選ぶのがおすすめです。
唾液を増やす工夫
唾液は、お口のバランスを保ち、虫歯を防ぐ「天然の守り役」です。唾液をしっかり出すためには、よく噛むことが大切です。食事中に一口ごとにしっかり咀嚼する、ガムを噛むなどの習慣が効果的です。また、水分をこまめにとることも、口の乾燥を防ぐポイントです。
ストレスや緊張も唾液の分泌を抑えるため、意識的にリラックスする時間を持つことも大切です。
さらに、口呼吸を改善して鼻呼吸を意識するや唾液腺をマッサージして唾液の分泌を促すことで、口の中の乾燥を防ぎ、虫歯や歯周病のリスクを下げられます。
虫歯の再発リスクが少ない治療を受ける
虫歯が多い方や、何度も同じ歯が虫歯になる方は、「再発しにくい治療法」を選ぶことが将来的な安心につながります。治療後の再発(=二次カリエス)は、詰め物や被せ物の精度・素材・メンテナンスの仕方で大きく変わります。

- 保険診療:費用を抑えられる反面、素材の性質上、経年劣化や歯とのすき間から再発しやすい傾向があります。
- 自費診療:精密な型取りと高品質な素材(セラミックなど)により、二次虫歯を防ぎやすいのですが、ただし費用は高めです。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、「どちらが自分に合うか」を歯科医師と相談しながら決めることが大切です。一度治した歯を長持ちさせることが、結果的に歯を守る近道になります。
虫歯を放ったままにしていると
虫歯をそのままにしていると、症状はどんどん悪化していきます。
歯が神経まで進行すれば激しい痛みに悩まされ、細菌の増殖によって強い口臭を感じることもあります。さらに、歯が割れたり抜歯が必要になるなど、最終的には歯を失うリスクが高まります。
治療も複雑になり、費用や期間の負担が大きくなるだけでなく、歯が黒ずんだり欠けたりして見た目にも影響し、口元に自信を失う原因となります。また、歯(口腔内の状態)と体と繋がっているため、からだ全体の健康にも関わってくると考えられています。
- 重度の虫歯になる危険性が高まる
- 歯を失うリスクが高くなる
- 治療費が高額になり、治療期間も長期化する
- 体の健康にも影響する
このように、放置すればするほどお口の状態も悪くなり、心身ともに負担が大きくなるため、早めの受診が大切です。
重度の虫歯について
虫歯が神経まで進行すると、根管治療が必要になります。再発を防ぐためには、CTやマイクロスコープを用いた精密治療が欠かせません。
そのほか、根管治療の治療で回復しなかった場合などに行われる「歯を残すための治療(歯根端切除術)や意図的再植)」などの治療も、緻密で同様です。しかし、それでも歯を残せず、抜歯に至る場合があります。
歯を治す治療について
歯を失った時の治療選択肢

- 入れ歯:1本からでも作製が可能で製作期間も短い
- ブリッジ:治療期間が短期間で噛む機能を回復できる
- インプラント:
・自分の歯のようにしっかり噛める(機能性)
・見た目も自然で違和感が少ない(結果としての審美性)
・周囲の歯を削らず、長期的に安定
「歯を失わないように」早めの受診が何よりも大切です。
医院を選ぶときの目安
痛みに配慮してくれるか(麻酔・鎮静法など)
「そもそも麻酔が痛い」「勝手に歯を削られる」など歯科医院にはそのようなイメージを持っている方も少なくありません。痛みがあるとどうしても治療から遠のいてしまいます。「痛みに配慮してくれる歯医者」がおすすめです。
精密な治療機器が揃っているか(CT・マイクロスコープ)
重度の虫歯の治療や抜歯の場合、精密な治療が必要になってきます。対応できる歯科医院を予め選んでいると安心です。
予防に力を入れているか(定期検診や予防プログラム)
お口の中をしっかりと検査し、治療をしてくれることも重要ですが、正しい歯みがきのアドバイスなどの予防の対策にも力をいれて取り組んでくれる歯科医院は、長期的に歯の健康を保つことができます。
カウンセリングや説明が丁寧か
虫歯といっても歯並びや歯周病などの有無などお口の状態は様々です。よって、患者さまへ治療のメリットやデメリット、治療の内容を丁寧に説明してくれることで、後悔のない治療を選択することができます。
筒井歯科の治療:3つの安心ポイント
痛みを最小限に抑えた治療
不安の大きい方や痛みに弱い方にも配慮しています。
例えば、「麻酔の注射が痛かった」という経験をお持ちの方も多いかもしれません。当院では、そんな不安を少しでも減らせるよう、“麻酔そのものが痛くない”工夫を行っています。まず、針を刺す前に表面麻酔を塗って、チクッとする感覚をやわらげ、麻酔液は体温に近い温度に温めておくことで、注入時の刺激を少なくしています。さらに、とても細い針を使い、ゆっくりと時間をかけて麻酔を入れることで、できる限り痛みを感じにくくしています。
痛みに敏感な方や、過去の治療が怖かった方でも安心して受けていただけるよう、患者さまの様子に合わせてペースを整えながら治療を進めています。
▶ 痛くない麻酔への徹底的なこだわり
最新設備による精密診断・再発防止
ほんのわずかな虫歯の残りや、詰め物と歯の間の小さなすき間を見逃すと、再び虫歯ができてしまうことがあります。 当院では、CTやマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)といった先端設備を使い、治療部位を拡大して確認しながら 必要な部分だけ精密に削ります。
目で見える部分だけでなく、詰め物と歯の間のわずかなすき間や極々小さな虫歯も見逃しません。CTやマイクロスコープを用い、正確な治療を心がけます。
▶ 最新設備のご紹介


患者様に寄り添うカウンセリング体制
レントゲンやお口の中の写真を見ながらご説明いたします。
一時的なことを考えた治療ではなく患者様の10年、20年を視野にいれた治療計画や選択肢を丁寧に説明し、納得していただいてから進めます。
▶ あなたに寄り添う 担当医・担当衛生士

まとめ・行動への一歩
虫歯が多い原因は生活習慣や歯科医院への足が遠のくことに潜んでいます。放置すると重度化し、歯を失うリスクや治療の負担が大きくなるため、早めの受診と予防が大切です。
痛みに配慮した治療や丁寧な診断・予防の体制が整った歯科医院を選ぶことで、安心して通い続けることができます。まずは検診から始めてみてはいかがでしょうか。
お気軽にご相談ください。







